⚖️ 民法の「主物と従物」をわかりやすく解説!
⚖️ 民法の「主物と従物」をわかりやすく解説!
― 一緒に動くモノと、動かないモノの関係とは?
💡1.そもそも「主物」と「従物」ってなに?
民法第87条は、「主物(しゅぶつ)」と「従物(じゅうぶつ)」の関係を定めています。
条文をざっくり言うと、こうです👇
民法87条1項
物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
つまり──
「メインのモノ(=主物)を使うために一緒に使われる補助的なモノ」
それが「従物」です。
🏠2.具体例でイメージしよう!
| 主物(メインのもの) | 従物(主物を助けるもの) |
|---|---|
| 家 | 家具、カーテン、照明など(生活を助けるもの) |
| 自動車 | スペアタイヤ、カーナビ、工具セットなど |
| 工場 | 工作機械、部品棚、設備用の工具など |
| 田畑 | 農具、肥料、農業機械など |
つまり「主役」と「脇役」のような関係です。
主物があって、従物が“支える”。
⚙️3.従物の3つの要件
民法87条から導かれる従物の条件は次の3つです👇
| 要件 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| ① 主物に「附属」していること | 主物の使用を助ける関係にある | カーナビは車の利用を助ける |
| ② 常用のために使われていること | 日常的・継続的に一緒に使われている | 家の家具など |
| ③ 所有者が同じであること | 主物と従物は同じ人の所有でなければならない | 家も家具もAさん所有 |
この3つを満たして初めて「従物」となります。
📜4.従物の法的効果(民法87条2項)
民法87条2項
主物の処分(売却など)には、その従物も一緒に処分したものとみなす。
つまり、
主物を売ったら、従物も一緒に移転するのが原則です。
💬 例
Aさんが、Bさんに「車を売る」契約をしたとき、
車に常に積んでいたスペアタイヤ・工具セット(従物)も
原則として自動的にBに移転します。
わざわざ「工具も売る」と言わなくてもOK!
⚖️5.主物と従物の区別が重要になる場面
(1) 売買・譲渡
→ 主物を譲渡すれば、従物も一緒に移転。
ただし、特約(別途合意)があれば別扱いも可能。
(2) 抵当権設定
→ 抵当権が主物に及ぶと、原則として従物にも及びます。
例:建物に抵当権をつけたら、固定された照明や設備も対象。
(抵当権の効力の及ぶ範囲)
第三百七十条本文 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。
付加一体物とは抵当権者の保護のため、物理的に一体となっているものだけでなく、経済的に一体となっているものも含むため、従物も付加一体物に含まれると解釈されます。
質権も抵当権と同様に従物にも及びますが、質権は引き渡しが必要な権利ですので、刀を質入れしたが、鞘は引き渡していない場合鞘には質権は及びません。
(3) 相続や破産
→ 主物に付属している従物は「財産の一体」として扱われます。
🧠6.主物と従物のちがいを整理!
| 観点 | 主物 | 従物 |
|---|---|---|
| 意義 | メインとなる物 | 主物の使用を助ける物 |
| 所有者 | 原則として本人 | 主物と同一所有者であること |
| 独立性 | 単独で価値あり | 主物に付随して価値を持つ |
| 処分時の扱い | 単独で処分可能 | 原則として主物と一体処分 |
| 典型例 | 家・車・土地など | 家具・ナビ・農具など |
✏️7.まとめ:主物と従物は「主従一体の法理」
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 条文 | 民法87条 |
| 主物とは | 経済的・社会的に中心となる物 |
| 従物とは | 主物の使用を補助する物(常用+同一所有者) |
| 効果 | 主物の処分・抵当などに従物も自動的に含まれる |
| 趣旨 | 財産取引の安全と明確化を図るため |
💬8.さいごに
「主物と従物」は、民法の中でも地味だけど取引実務にすごく重要な条文です。
不動産登記や担保設定、売買契約など、
司法書士や不動産業務では欠かせない考え方です。
💡 一緒に使われるものは、一緒に動く。
それが民法87条のシンプルで強力なルールです。
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