【民法】詐欺による意思表示は取り消せる!ポイントをやさしく解説

【民法】詐欺による意思表示は取り消せる!ポイントをやさしく解説

「騙されて契約してしまった…」
そんなときに助けてくれるルールが、民法の 「詐欺による意思表示の取消し」(民法96条) です。

この記事では、法律に詳しくない方にも分かるように、詐欺取消のポイントをやさしくまとめてみます。


目次

■ そもそも「詐欺による意思表示」って何?

簡単に言うと、
人に騙されて契約してしまったとき のこと。

たとえば…

  • 「この不動産はもうすぐ価値が2倍になりますよ!」という嘘を信じて買ってしまった
  • 本当は赤字なのに「黒字です」と言われて会社の株を買ってしまった
  • 実際は事故車なのに、「無事故車です」と言われて車を購入した

こういう “嘘の情報” によって契約してしまったら、民法96条の「詐欺取消」が使えます。


■ 詐欺取消ができるとどうなる?

契約を最初からなかったことにできる(遡って無効になる) のがポイントです。
これを「遡及効」と呼びます。

つまり、

  • 売買契約なら、代金・物をお互い返す
  • 賃貸契約なら、原状回復&支払済の賃料など返還請求の余地も

といった形で、“元に戻す” ことができます。


■ 第三者が絡むと話が変わる(第三者保護)

詐欺取消で最も大事なのが 「第三者がいる場合のルール」

● 原則:第三者は保護される

民法96条3項は、
詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
としています。

たとえば…

  1. AがBの嘘に騙されて、土地をBに売った
  2. Bがその土地を第三者Cに売った
  3. Aが詐欺取消したい

→ この場合、
Cが「詐欺があったことを知らず(善意)そのことに過失がなかった」なら、Cは保護され、土地はCに残る
ということです。

● じゃあ悪意または過失があったなら?

Cが「BがAを騙したことを知っていた」場合(悪意)または過失があった場合は保護されません。
→ AはCに土地の返還を請求できます。


■ 取り消しの方法と期限

● 方法

「取り消す!」と意思表示すればOK。
書面でも口頭でもできますが、証拠残しのため内容証明などが実務では一般的

● 期限(除斥期間)

  • 詐欺を知った時から 5 年
  • 詐欺に基づく意思表示から 20 年

このどちらか早い方でタイムアウトになります。


■ 動機の詐欺は取り消せる?

動機(契約理由)について嘘をつかれた場合でも、
その動機を相手に表示していた場合は取消可能
というのが判例・通説です。

例:
「将来家族で住む予定なので事故歴がない車を探している」と伝えていた
→ 事故車を「無事故」と嘘をつかれて買った
→ 取消できる


■ 他の取消事由との違い

取消原因主な例第三者保護
詐欺(民96)嘘をついて契約させた善意無過失の第三者は保護される
強迫(民96)脅して契約させた第三者保護なし(常に取消主が優先)
錯誤(民95)重要な勘違いで契約善意・無過失の第三者は保護される

強迫と違って、詐欺は第三者保護があるのが大きな特徴です。


■ まとめ:詐欺取消は、騙されたときの強力な武器

詐欺取消は、

  • 騙されて契約してしまった
  • 元に戻したい
  • でも第三者に移ってしまっているかも…

そんなときに重要な制度です。

詐欺取消が成立するには、

  1. 相手に故意の嘘または積極的な欺罔行為があること
  2. その嘘によって意思表示をしたこと(因果関係)
  3. 取消期間内(5年/20年)であること
  4. 第三者保護に注意すること

これらが重要です。

特に 第三者保護の扱いが複雑 なので、実務では慎重な判断が必要。
司法書士や弁護士に早めに相談するのがベストです。

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